超再生回路を定量的に考察してみました(その4)
■概要
TRを2SC5066に変えたところ、感度が10dBほどアップしました。
超再生RXでもfTが高くNFが低いTRの方が性能が良いということでしょうか?
はっきりした理由はわかりません。
■Simulation
前回と同じ回路です。2SC5064と2SC5066とはパッケージ違いです。
Vcc=2.5V、C7=2.2nFでSimulationしたところ、-6dBの感度(最大感度)はなんと-130dBmとなりました。
熱雑音を考慮していないためですが、それにしても驚きです。
Vcc=3V、C7=4.7nFとして評価しました。
2SC1815と同じ傾向ですが、S/N10dB感度は-105dBm近辺と10dBほど感度アップしています。1kHz出力の落ちはじめも約-100dBmで、Simulationと一致しています。
クエンチング周波数がC7と反比例の関係にあることは想定通りで、一方出力レベルはほとんど変わらないことを確認しました。
クエンチング周波数がC7と反比例の関係にあることは想定通りで、一方出力レベルはほとんど変わらないことを確認しました。
C=1.8nFのとき、弱電界で動作不安定になりました。パスコンとクエンチング周波数調整が兼用になってるのが原因かと思い、エミッタ側CR方式に変えてみましたが、傾向は同じでした。
一般に発振回路が発振するにはある程度の時間が必要です。またQが高いほど発振開始までの時間が長くなります。例えばXtalではmsecオーダーの時間がかかります。多分、クエンチング周波数が160kHzにもなると発振が間に合わなくなると思われます。中電界以上で動作し始めるのは、RF入力があると発振開始時間が早くなるためと考えられます。
■まとめ
新形式の超再生RXは感度・選択度・再現性の点で従来型のColpitts方式に比べて優れているように思えます。
可能性は秘めていますが、まだ解析の余地がありますので、引き続き検討します。