超再生回路を定量的に考察してみました(その2)
■概要(2023年9月改訂)
(その1)でラジコン基板の実測をして、超再生RXの良さを実感しました。
今やSimulationで回路設計することは常識、というかSimulationでしか設計できない時代になりました。果たしてSimulationでそれを再現できるか、(その2)で考察したいと思います。
■回路
ラジコン基板と同一の回路ではうまく動作させることができず、試行錯誤して下のような回路に落ち着きました。
また変調周波数は素数が無難と考え7kHzとしました。
クエンチング周波数はその2倍以上にしなければなりません。クエンチング周波数を決定する要素としてはC17/R14が支配的ですが、C15/R13とC16/R12も影響します。
様々な要素がかみ合って、結局下のような定数に落ち着き、クエンチング周波数は20kHzになりました。
Trは27MHzですので2SC1815でオッケーでした。
■Simulation
AMの変調度100%、周波数27MHzのときの各部の波形です。Transient解析する訳ですが、LPFを介してVdetに含まれる7kHzを抽出してもいいのですが、FFT解析で7kHzを抽出すると解析時間が短いことがわかりました。解析時間を1msecとすると周波数の分解能は1kHzですが、問題ないようです。
若干暴れている理由、またS/N比も不明ですが、-90dBmから急激に7kHzのレベルが下がっているので、-90dBmくらいの感度と考えられます。
実際の基板とよく似た結果になったといえます。
帯域幅もSimulationしましたが、十分広いという以上のことはわかりません。参考程度ですね。ちなみに発振中心周波数は26MHzで、なぜ受信中心周波数とズレがあるのか謎です。
■結論
今回の手法で実際の基板に近い結果が再現されたので、このSimulation法で基礎検討ができそうです。
新しく提案する超再生回路で検討を続けたいと思います。