■概要
AudioのS/N比の測定は帯域約3kHzのTrue RMS機能がついたDVMで行っています。ただし、その値をいちいちdBに変換するのは結構面倒です。また表示される値が変動して読みにくいので、AF dB Meterなるものを製作しました。
AD8307ANZなどのLog Ampを使えば簡単ですが、あえてDiscreteで組みました。といってもOPアンプTL074Lを使ったRSSI方式です。
目標規格は、入力レベル-80dBV~0dBV・F特20Hz~20kHzです。
■基本回路とSimulation
回路はGv=10dBのアンプを7段つなげ、各段の出力をピーク検波して、検波電流をカレントミラーで加算する方式です。OPアンプは当初LM324でしたが、スルーレートが悪いのでTL074Lに変更しました。
Simulatorにノード数制限があり7段のOPアンプが定義できないため、仕方なく10dBの理想アンプにダイオードのリミッタを組み合わせてOPアンプの代わりとしました。DC直結なので、Transient解析ではなくDC解析でSimulationしました。
その結果です。-60dB≒1mVdc≒-63dBVまで直線性を保っています。
■回路図(2022/06/19更新)
当初案から変更したのは以下のとおりです。
(1)TL074L直結ではDCオフセットが無視できなかったので、IC間はAC結合にしました。
(2)初段の入力抵抗は100kΩでしたが、安定度に難があり10kΩに変更しました。
(3)-5Vは当初TL7660でしたが、発振周波数10kHzが影響する恐れがありMAU106にした。±5Vの入力変動があり改善が必要です。
(4)カレントミラーは温特を考慮してDual Trにしました。
MAU10が壊れてしまいましたので、-5V生成をNJM2360に変更し、温特などの改善を行いました。
■PCB
■性能評価(2022/06/19更新)
校正が微妙です。0dBV入力にしてVR1で0dBV表示に調整、-60dBV入力にしてVR2で-60dBV表示に調整します。直線範囲は-70dBV~0dBV、F特は40Hz~20kHz以上(50kHz程度)でした。
電源電圧の5Vに敏感です。
Simpleが信条にもかかわらず部品点数が多くなってしまいました。
もう少し温特の改善が必要です。
AD8307ANZを使ったらもっと楽でしたね。AD8307ANZへ
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